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【サービス残業】週40時間超はすべて残業 証拠を集めて対抗 [危ない法律]



1日8時間、週40時間を超えて働かせてはいけない。これが労働基準法の原則です。それ以上働かせるには、労働基準法36条に基づく労使協定の締結と労働基準監督者への届け出、さらに時間外労働については割増賃金の支払いが必要になります。

サービス残業とは、実際に法定労働時間以上働かせていながら賃金を支払わないこと。サービス残業という呼び方は、いかにも労働者が善意でやっているという印象を与えやすく、正式名称は「賃金不払い残業」といいます。

サービス残業の背景には労働行政の取り締まり不徹底、立場の弱い労働者が会社側の圧力に抗えないという事情もあります。まずは、会社側がどう残業を強いているかを知っておきましょう。

最も多いのが労働者自身に残業時間を申告させることです。本来はタイムカード、ICカードなど、客観的・機械的方法で行われるべきですが、自己申告にすれば労働者が自粛し過少申告になりやすいうえ、客観的なデータが残りにくくなります。上司が「うちの課の残業予算は月20時間だ」といえば、部下はしぶしぶ従わざるを得ません。

また、「うちは裁量労働制だから残業代はない」「年俸制だから残業代は払わない」という会社もありますが、決して鵜呑みにしないことです。裁量労働制は法的手続きをクリアしないと認められません。専門業務と企画業務型の二種類があり、専門業務型は、SE、デザイナーなど特定の職種に限定されます。しかも実際には上司が割り当てた仕事を機械的にこなしている場合は、本人の裁量がないため裁量労働制として認められません。まず、法的手続きが確実に行われているか確認しましょう。

届け出には、専門業務型は労使協定の締結、企画業務型は労使で構成する労使委員会の決議が必要です。協定締結には双方の代表の署名が必須ですが、労働組合のない場合は選挙などの民主的手続きにより選出された過半数代表者でなければなりません。しかし、実態は経営者が総務や人事の社員を適当に過半数代表者として届けているケースも少なくない。実際に裁量労働制を採用するゲームソフト会社で、代表者選挙が行われていないことを理由に、社員が不払い残業代を求めて提訴した事例もあります。

年俸制ははあくまで賃金の支払いを年単位に決めるだけで、残業代の支払いを免除するものではありません。年俸のなかに一定の残業代が含まれると認められるためには、労働契約においてどの部分が残業代なのか区別し、計算根拠を示す必要があります。また、「固定残業代」として支払われる場合であっても実際の残業時間に見合う金額より低ければ差額を支払う義務が生じます。

サービス残業、つまりこれは違法ですが、これに対応するには、事業所を管轄する労働基準監督署に申告することです。会社に知られたくない場合は、その旨を労働基準監督署に伝えれば慎重に調査してくれるはずです。また、本人以外の家族でも「情報提供」というかたちで受け付けてもらえます。
あるいは、会社として残業抑制の方針を打ち出しているにも関わらず、特定の部署だけ残業が多い場合は、会社の苦情相談窓口に通報するもの手です。最近はコンプライアンス担当部署などに通報窓口を設けている企業が増えています。

サービス残業への対処は、本来は労働組合の役割ですが、十分に対応できてるとはいえません。自分の身は自分で守るため、仕事を命じられたら「一生懸命にやりますが、これだけの時間がかかります」と上司に明確に伝えることが第一です。そのうえで業務内容も含めてどれだけ残業したかを記録した業務日報をつけることが大事です。
とはいえ、職場の雰囲気や同僚との関わりで自分だけ主張してもうまくいくとは限りません。労働基準監督署に通報しても残業の証拠がないと空振りに終わることもありえます。

駆け込み寺として弁護士事務所も検討すべきです。


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