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【会社に損害をあたえてしまった】本人、上司、どんな場合にどんな賠償が科せられる? [危ない法律]


個人情報保護法や不正アクセス禁止法の施行以降、パソコンのデータ流出のトラブルなどで社員が会社から損害賠償請求される例が急増しています。
たとえば、約51万件の顧客データを漏洩させたジャパネットたかたの元社員に対して、裁判所は原告(会社)の請求通り、1億1000万円もの巨額の賠償命令を下しました。会社はうっかりミスを含む情報漏洩にも厳しい対応をするようになってきました。社内に引き締めを図るだけではなく、対外的に「情報セキュリティの堅牢な社会」というイメージをアピールする意図もあるでしょう。


顧客データや営業機密は、いわば会社の財産です。それらを、故意または過失により会社に損害を与えた社員への処分方法は、2つのケースが考えられます。




ひとつは、各社の就業規則による懲戒処分です。
最も重い場合は、懲戒解雇で退職金の没収という処分がくだることもありえます。


ふたつめは、前出のジャパネットたかたのような民事上の損害賠償請求です。社員が敗訴した場合の賠償額は、会社に与えた損害額から、社員の責任の負担割合を考慮し、減額したうえで決まります。
減額の度合いは、故意か過失の程度、また、会社がどれくらい注意喚起をしたか、労働条件、業務内容などによって変わってきます。




現在、ファイル交換ソフト「ウィニー」を自宅パソコンでも使用禁止にする企業が増えています。その規則を無視して重要機密をネット上に流出させた場合は、社員は機密保持義務違反として懲戒処分や損害賠償請求を受ける可能性が高いでしょう。


ブログやSNSなどで会社の機密情報らしき記述を目にすることがありますが、これも、プライベートの時間とはいえ業務内容を外部に漏らす行為なので、会社に訴えられる可能性があります。
なお、賠償金の支払いを逃れようと行方をくらましたとしても、会社はその社員の「身元保証人」に請求することができます。




さらに注意すべきは、損害賠償を請求される可能性があるのは会社に損害を与えた本人だけではないということです。直接の管理監督責任者である上司、特に中間管理職のほうが、問題を起こした部下や役員などの経営幹部よりも負担が重くなる可能性もあります。


そんな不慮の損害賠償請求を被らないためにはどうしたらいいのでしょう。まず、部下に対して注意を徹底することです。自身の手帳などに日々の監督責任の任務状況について明記していれば、賠償請求を免れる証拠とすることもできるでしょう。


部下に比べてITリテラシーが欠如している中間管理職は多いものです。部下任せにしていると、後々自分が痛い目にあうことになるかもしれません。



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