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【内部告発】ばれたらどうなる?迷ったときの判断基準と法的根拠 [危ない法律]

最近、企業の不正行為が内部告発によって明るみにでる例が増えています。
自分の勤めている会社の不正を目にしてしまったとき、それを正したいと考える従業員はどのような行動をとればいいのでしょうか?


その際、関係する法律としては「公益通報者保護法」があります。この法律は通報の対象を「個人の生命または身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保、その他の国民の生命、身体、財産」などに関係する415の法律に定められた犯罪行為の事実としています。


通報しても勤務先で問題を処理できなければ、業務を監督する行政機関に通報することです。さらに、通報が解雇や不利益な処遇につながるおそれがある場合、あるいは証拠が隠滅されるおそれがある場合は、マスコミを含む外部へ通報しても法的な保護を受けられます。


しかし、内部告発を行うときに誰もが心配するのは会社からの報復でしょう。代表的な例が、公益通報者保護法制定のきっかけとなった「トナミ運輸事件」です。


運輸会社同士の「闇カルテル」を告発したトナミ運輸の元社員Aさんは約30年もの間、会社側から悪質な報復を受けました。個室で一人にされ、ろくな仕事も与えられず、賃金も最低ラインの手取り18万円という処遇だったのです。Aさんは雇用契約上の債務不履行、不法行為をもとに損害賠償請求をしました。裁判ではほぼAさんの主張が認められ1300万円の損害賠償額になりました。同社は控訴しましたが、さらに、1800万円支払うことで和解に至りAさんの全面勝訴となりました。




このような事件を契機に「公益通報者保護法」が制定されましたが、この規定はあくまでも実名での通報を前提にしていることです。よって匿名の通報は対象外になります。しかし、匿名での通報や規定された方式に該当しない事実の通報が、保護されないということではありません。


同法は典型的な通報のケースを想定してるに過ぎず、通報内容や動機に正当性、妥当性、公益性があれば、民法の不法行為や債務不履行に基づき、司法判断が下されるからです。
ただし、その通報が恨みや妬みを動機としている場合や外部からの報酬など不正な利益を得る行為は、当然ながら「法」の保護の対象外となります。


内部告発に関する環境整備は、まだ過渡期にあります。大企業の中には専門の通報先を設けているところもありますが、中小企業ではほとんどといっていいほどありません。


会社内部の不正行為を知りながら、黙っていることは社会正義のためにならないばかりか、自分自身の人生にも大きく響くものです。自身で抱え込まず、プロの専門家に相談することが最も近道です。






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