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【自動車事故】前科がつき解雇も。貸した友人の事故でも責任が問われる [危ない法律]

交通事故を起こし、相手に後遺障害を負わせたり、死亡させたりした場合、損害賠償は高額になってしまいます。

たとえば死亡事故の被害者が45歳の男性で妻と子供一人があり、年収800万円だとすると、逸失利益(事故がなければ得られたなずの利益)は年収や寿命などから算出して7,371万円、慰謝料2,800万円、葬儀費用150万円となり軽く一億円を超えてしまいます。
高所得者であれば逸失利益だけでも億単位にのぼります。

また、死亡によりも重度寝たきりのように、将来的に介護を要する状態のほうが、介護費用や生活費も必要になるため、賠償額はさらに膨らんでしまいます。

加害者が自動車保険(任意保険)に加入していて対人賠償額を無制限に設定していれば、保険で全額支払われるが、たとえ対人賠償が設定されていても、年齢条件や家族限定特約条件に違反している場合は、保険が適用されないケースもありえます。
ましてや任意保険に加入していない場合、自賠責保険だけでは死亡の場合でも3,000万円しか補償されません。

交通事故はほんのわずかな不注意で前科がつき、時には会社も懲戒解雇の対象となり、一生を棒に振りかねません。せめて任意保険に加入し、対人賠償や対物賠償は無制限にしておきたいものです。

では、不幸にも被害者になってしまったときはどうでしょうか。被害者本人か遺族が賠償請求(民法709条、自賠責法3条)をすることになりますが、加害者の車が任意保険未加入の場合は、加害者の資力を考えると自賠責の補償額以上の支払いは困難になってしまいます。

自動車同士の事故に備えた自衛策としては、自分の自動車保険に「無保険車障害」の特約をつけておく方法があります。加害者が無保険車の場合に、被害者側の自動車保険から通常2億円を上限に支払いを受けることができるものです。







被害者が損害賠償を請求できる相手は、加害者だけとは限りません。加害者がクルマを借りていた場合、クルマの保有者も賠償責任を負います。この「保有者」とは、所有者だけではなく「自動車を支配していたり、運行による利益を受けたりする者」が含まれます。勤務中の交通事故であれば、勤務先も運転者を使用する者として、使用者責任が問われることがあります(民法715条)。

たとえば、息子が彼女とドライブに行くというので父親がクルマを貸した場合、たまたま彼女が運転を代わったときに死亡事故を起こしてしまったとき、賠償責任は彼女(加害者本人)と、息子の父親(クルマの所有者)にあります。
被害者側にしてみれば、取れるところから取るということになり、誰に請求するかは被害者側の自由ということになります。

クルマは走る凶器。安易に貸し借りするもではありません。賠償責任という意味では、自分のクルマを貸すということは運転することと同じと心得るべきでしょう。


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